八丈島経由青ヶ島旅~シルバーウィークに子連れ旅~
※このコラムは、東京愛らんど広報事務局某スタッフが一観光客として実際に経験した事実を記したものです。
あくまでも一個人の経験談ですので、何卒ご承知おき下さい。
※本コラムの内容は、令和5年9月現在のものです。
平凡なサラリーマン家庭が八丈島&青ヶ島旅をして思うこと。
それは、行くまでの準備と覚悟が大事!―これに尽きるかと思います。
青ヶ島は2泊、八丈島は1泊でしたが、行く前と行った後の余韻も含め、ドキドキとワクワクの約2か月でした。
とくに青ヶ島は「次またいつ行けるかわからない、意外と近く、でも、やっぱり遠い、東京都の激レア小島。」
そんな気持ちの一端をこのコラムでご紹介できたらと思います。
夫「今年のシルバーウィーク、どこ行く?」
7月上旬、それは何気ない夫婦の会話から始まりました。
私「まだ行ったことのない東京の島、青ヶ島に行ってみたい、け・れ・ど・・・。」
9月は台風シーズン。そもそも2歳、4歳のわんぱく男児連れで行けるような場所ではないよなぁ。などと不安要素が頭をよぎっての「・・・」。
しかし夫はその「・・・」に被せて
「そりゃ僕だって一度は行ってみたいよ!島のPRをしてるなら、実際に見て体験して魅力発信すべきでしょ、仕事に対する姿勢はそうでなきゃ。」と、なぜかお説教モード。
「そしたら、行くしかないっ。挑戦あるのみ!」と覚悟を決め、旅行準備を開始したのは旅行2か月半前でした。
このサイトをご覧の皆様ならご存じかと思いますが、青ヶ島に行くにはいくつかの方法があります。
我が家の場合、じっとしていられない子ども2人がいることを考慮すると、
羽田空港から八丈島までは全日空(ANA)、八丈島と青ヶ島は国内唯一のヘリコプターによる定期航空路である東京愛らんどシャトル(TAL)を組み合わせる空路一択でした。
試行錯誤ありつつ、我が家の旅程はこちらでした。
※1
シルバーウィーク、気づいた時はすでに遅し。ANA割安チケット全満席。19日(火)平日を夫婦とも有給休暇取得し、17日~19日を青ヶ島滞在としました。
※2
当初は17日(日)✈ANAの朝1便7:30羽田発、8:25八丈島着から9:55発の🚁東京愛らんどシャトルに乗り継ぎを想定しましたが、
ANAの八丈島到着が何かの原因で遅延し、ヘリの搭乗手続きに遅れる、乗れないというリスクを考えた場合、前乗りの必要があると判断。子連れで早朝出発も負担があり、お金がかかっても土曜日の夕方便で八丈島入りを選択。シルバーウィーク初日でしたが、夕方に八丈島入りのANA最終便は空席あり。
※3
シルバーウィーク期間はどこもほぼ満室のようでした。私たちはヘリコプターの往復予約が取れてから宿の予約にかかりましたが、あちこちに電話をかけ苦戦しました。
敢えて※印をつけませんでしたが、「東京愛らんどシャトル」の予約攻略法についてはみなさん聞きたいところでしょうか。
東京愛らんどシャトルとは、島民の生活路線として平成5年から運航しているヘリ・コミューター路線で、八丈島空港をベースに青ヶ島-八丈島-御蔵島-三宅島-大島-利島の6島を経由する航路を、1日1往復運航しています。客席は9席、ということで早めの予約が必須です。
予約開始は搭乗希望日の1か月前の午前9時から、すなわち往路は8月17日、復路は19日から電話受付でした。我が家は携帯3台体制で9時00分00秒から粘り強く電話をかけ、行きも帰りも奇跡的にチケットを家族全員分取ることができました。
前段が長くなりましたが、
旅行日・天気予報はずっと晴れマーク☀で、無事に青ヶ島に行くことができたのでした。
■1日目:9月16日(土)
17時すぎに羽田から八丈島空港に到着。空港から徒歩圏の素泊まり宿を予約していましたが、
チェックインする前に、タクシーで日没の八丈島観光を少し楽しみ、スーパーで晩御飯の調達をしようと思っていました。
意気込んで空港前のタクシー乗り場に向かいましたが、待っているタクシーは1台もおらず。乗り場に記載のあるタクシー会社に片っ端から電話しました。
ようやく乗車したタクシーで、タクシーの運転手さんおすすめの夕日の見えるスポット、「夕日ヶ丘」へ。
写真だけお父さんが撮ってくる、子どもたちは乗車したままですぐ戻りますから乗らせてください!とお願いし、1分待ってもらって撮った写真がコチラ。
雲が多いですが八丈小島が被写体となってグラデーションが綺麗です。
この赤丸で囲ったアレ、何かわかりますか?観光客の方々は八丈小島の夕焼け写真をずっと撮っていましたが、実はこちらもなかなかレアな光景です。
タクシーの運転手さんに確認したところ、やはり「アレ」でした。そう。我らが目指すアレは、青ヶ島です。
そうこうしているうちに、晩御飯調達場所であるスーパーで降車。
18時頃でしたが、すでに品薄状態で、在庫のあるものの中から八丈島らしいものを購入。宿の方から18時半頃になるとスーパーでは半額セールなどの特売をやるのでそれを狙って晩御飯を買うと良いと教えていただきましたが、連休中は早めの購入をおすすめします。
今晩分の近海のお刺身と、翌日の朝食用に島内で手作りしていると思われるパンなどを買い込んで、宿にチェックイン。
お風呂上がりに見た満天の星に家族一同驚嘆の声(写真はありません。今にもその光の粒が降ってきそうな星空で、思わず手を伸ばしました)。
1日目が無事に終了。
■2日目:9月17日(日)
翌朝チェックアウトし、八丈島空港へ。
1便のANAが着陸するシーンを横目に、9月でもたくさん咲いているハイビスカスの道を行く。
そして、同空港内の端っこにある東京愛らんどシャトルの小さなカウンターへ。
荷物は全部重量をはかり、預けます。体重申告もあります。
無事搭乗手続きを済ませ、いざ搭乗。
9席ありますが、座席は基本的に自由席で前席から埋まっていくイメージです。
操縦席の真後ろを選んだ夫は2番目の搭乗でした。
私と子ども2名はスタッフの皆様にサポートいただきながらお客様の中で一番最後に真ん中列の扉の一番近くに乗りました。
プロペラが回り、大きな音で高速回転してから、ガタガタッと機体が震えたかと思うと、ふわりと機体が浮いてあっという間に離陸。
海上を15分ほど飛んだころでしょうか。前方に青ヶ島が見えてきました!いよいよです。
青ヶ島上空は晴れており、断崖とジョウマンの緑の大地、海のコントラストが絶景でした。
着陸する前、窓から見えた景色はこんな感じ。
あっという間に青ヶ島に到着しました。考えてみると、羽田から青ヶ島までの全飛行時間は1時間半もないのです。竹芝から大島よりずっと近い感覚です。
ヘリポートでは事前予約をしていたレンタカー屋さんがお出迎え。島内には青ヶ島レンタカーと池之沢レンタカーがあり、ガソリン代込みか否かで料金が違いますが、結果的に両社同額程度になるかと思います。
レンタカーを利用する青ヶ島初心者観光客に是非おすすめしたいのは「島内道路の予習」です。
予習にあたり我が家のおススメは、チャンネル登録者数13万人超のYouTuber佐々木加絵さんが紹介する「AOGASHIMA Channel」を観ることです。道だけでなく島の全般を予習していくことで現地滞在時間をさらに充実できると思います。
無事、宿泊先に到着し、チェックイン。宿の利用方法について説明を受けた後に、部屋で小休憩してから昼食へ。青ヶ島はランチができる飲食店がないため、宿が基本的に3食提供します。この日の昼食はスパゲティナポリタン。子どもも食べられるようにと配慮いただいたメニューと感じました。(有難し。)
食後。ジョウマン共同牧場方面へドライブ。子どもたちと放牧されている黒毛の牛をのんびり眺めます。
島の方々から、子連れで来ているなら、今日は島民運動会をやっているので行ってみては?と声をかけていただいていたため、小学校の校庭へ。
観光客が参観できる運動会なんて珍しいですね。ちょうど行った時は青ヶ島の還住太鼓を島の子どもたちが披露していました。
フィナーレは島民全員で輪になって踊ります。うちの子どもたちもどうぞと言われ、輪の中に入れていただきました。見様見真似で踊り、(運動会終了後、別場所で子どもたちは太鼓叩きも)貴重な体験をさせていただきました。
学校の向かいには保育園、そしてその隣には新しくできたと思われる児童公園がありました。誰でも使えるトイレもあります。
子ども用の便器も備えてあり、子連れ観光客にも有難し。
子供たちは遊具に夢中になり、ずっと遊んでいたい!と主張されましたが、大人は限られた滞在時間内でいろいろ廻りたいので、手を引いて撤収。
天気が良いので八丈島と八丈小島まで肉眼で見えた、神子の浦展望台。
そしてプリン型の丸山を秋らしいススキとともにパシャリ。この時点で17時20分。
長いトンネルを抜けると夕焼けに染まった三宝港が広がります。
このあと雲が多くなってきてしまい、撤収。
宿の晩御飯は1日目も2日目もおかずの品数が多く、満腹。
お刺身は激辛ながらもスキッとした爽快感のある青唐辛子を箸でつぶしながら島とう醤油で頂きました。
夜は夜景撮影に挑戦しましたが、素人写真ではこの程度が限界。
みなさん実際に足を運んでみてください。肉眼で見る星空の感動は写真では表現しきれません。
■3日目:9月18日(月)祝日
朝から大凸部(おおとんぶ)遊歩道へハイキング。遊歩道入口に車を停めてみんなで歩いて向かいます。
彼岸花が咲いていて秋らしい道ですが、鳥居から先のずっと続く階段状の道はコケが生えており足元が滑りやすいです。
島焼酎「青酎」をつくるときに使用するオオタニワタリも生えています。
2歳4歳の子連れでも30分ほどで頂上に到着。
10時ごろです。午前中の方が海の色ふくめ、霞がからず綺麗な風景が撮れることが多いようですよ。
ススキが黄金色に輝いていました。
下山は、頂上で満足してしまった子どもをおんぶして降りたため、時間がかかりました。
午後はひんぎゃ体験の材料を買いに、島唯一の商店へ。そこで、お店の方に教えを請いながら、じゃがいも、卵、ソーセージを購入。
① 調理用の釜を選ぶ
石が置いてあるところは使用中。空きありの釜台下の元栓をひねって蒸気がしっかり出てくるかを確認。(手は中まで突っ込まなくて良い。やけどに注意)
② 食材を入れる
元栓を締め直してから、中の網かごへ食材を投入。今回はじゃがいも3つを一番下に、次に卵3つ、最後に真空パックに入った市販のソーセージを少しだけ開封して乗せ、釜蓋と石を置きます。
※お店の方から、ソーセージは肉汁が垂れるので、空気抜きの処置だけしてパウチ袋に入れたまま調理すべしと教わる。
③2段階調理
15分でソーセージと卵は完成。火の通りにくいじゃがいもはさらに25分ほど蒸してから、ひんぎゃの塩で召し上がれ。
※食材を取り出すときは一度、蒸気元栓を閉めて手袋をして取り出すなどしてください。
腹ごしらえを済ませ、尾山展望台へ行こうと車を走らせていたら、虹がかかっているのを発見!
児童公園の滑り台と虹のアーチの一期一会なコラボレーションを楽しんだあと、展望台からも虹を見たい!
と思い、急ぎ足で上まで行きましたが時すでに遅し。虹の完全なアーチまでは見られませんでした。
最終日の夜には、島内でしかできない青酎体験ができました。
宿の壁に「あおちゅう工場で試飲や購入をしたい方は直接予約TELを」という張り紙をみつけ、早速予約。定員は10名のようですが、この日は我が家の独占でした。
杜氏の奥山さん からあおちゅうができるまでの過程や、10種ほどの風味の違い、などなど、貴重なお話を聞くことができました。子どもはもちろん飲めませんが「森のきのこの香りがする」「お花の香りがする」など、いっちょマエに高尚なコメントをしておりました。
最後に、島外不出の60度のあおちゅう・初垂れ(はなたれ)を試飲させていただき、お土産焼酎の購入タイムで終了。
島内では、居酒屋「一人(とり)」でも初垂れを飲むことができます。
■4日目:9月19日(火)
青ヶ島を離れる朝、ヘリポートでは保育園の子どもたちや島の方が手を振ってお見送りしてくださいました。あっという間の3日間でしたが、青ヶ島でしか体験できない貴重な経験をたくさんさせていただきました。季節の違う時にまた行ってみたいな、次はいつ行けるかな、と思いながら島を後にしたのでした。
無事青ヶ島から予定通りの便で八丈島に戻ることができた我が家一行は、羽田への乗り継ぎまでの数時間を八丈島内観光にて過ごすことに決めていました。
今度はタクシーを使わず、予約していたレンタカーで底土港へ急ぎました。
何があるのかって?この日は外国客船「コーラルアドベンチャラ―」が八丈島に寄港する日だと事前チェック済でしたので、みんなで見に行くことに。
港の待合所内は外国人観光客をお迎えするため、特産品や太鼓やのぼりを準備されていらっしゃいました。そして港で見た船がコチラ。
そして、スーパー(八丈ストア)で昼食とお土産を調達し車中ランチ。
レンタカーの返却や空港搭乗手続きすることを考えると、お寿司屋さんでゆっくり食事する時間は残されていません。
島寿司はメダイ・赤サバ・金目鯛といろいろな種類があり食べ比べ。海苔のお寿司も美味でした。
時間がないと言いながらも、スーパーあさぬま併設のジャージーカフェでスコーンや牛乳、モッツァレラチーズを買い込みます。
お昼の時点で瓶入りの牛乳は完売とのこと。子どもはソフトクリームを食べてご満悦。
デザートまで堪能して八丈島空港に着くと、シルバーウィーク明けの平日でしたが空港は大混雑しており、出発時間も少し押しました。
しかし短時間滞在の八丈島でしたが、大充実の旅でした。
おみやげにはこちら。
青ヶ島では、300mlのあおちゅう3種(試飲会後に購入した小瓶タイプ)と十一屋酒店棚内のスイーツ屋さん「月とオリーブ」より、金柑とはちみつのジャムと、島レモンジャム。どちらも青ヶ島島内産の金柑とレモンを使っています。
八丈島では、島内限定販売の青ヶ島の塩麹で作った八丈島レモンの塩麹ドレッシング。爽やかなレモンの風味をまとったクリーミーなドレッシングは何にでも合い、帰宅後も1か月ほど食卓で八丈島と青ヶ島旅の余韻を楽しむことができました。
竹芝にあるアンテナショップ「東京愛らんど」 でも島の特産品を購入できますが、現地でしか買えないもの、現地でしか味わえないものもたくさんあります。
その時、その瞬間に出会う人や風景は、その場に行かないと得られない一期一会の旅の醍醐味です。
是非みなさんも、現地でしか味わえない、そのとき、その瞬間の東京の島旅を体験してみてください。
~参考リンク~
八丈島について
特産品一覧
青ヶ島について
特産品一覧
https://www.tokyoislands-net.jp/shop/local_specialty/?keyword=&islands%5B%5D=%E9%9D%92%E3%83%B6%E5%B3%B6#form
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