島暮らしのリアル③|【大島】地域おこし協力隊員の“次”を見据えて移住する!…地域おこし協力隊OB 神田遼さん
このコラムは2024年8月24-25日に行われた「東京多摩島しょ移住定住フェア」にて、
東京愛らんど広報事務局スタッフが取材したものです。
旅行会社で「旅行」がなくなった。
2020年から地域おこし協力隊として大島へ移住したという神田さんですが、コロナ禍で何かきっかけがあったのですか?と尋ねるとやはり。
「はい、そうです。6年間旅行会社に勤めていましたが、新型コロナ感染症の流行で外出禁止が叫ばれ、ぱったり仕事がなくなってしまったんです。その時、大島の地域おこし協力隊の募集が偶然目に留まり、応募しました。それまでは神津島にキャンプに行った経験はありましたが、大島には深いつながりはありませんでした。」
その言葉は、とっさの行動のように受け止められましたが、神田さんは意志を持って隊員として農産物直売所の活性化などを担当しました。3年の任期終了後には、絶対にゲストハウスを立ち上げてみせる!という明確な目標があったそうです。
2021年10月にシェアハウス「クエストハウス」をオープンすると、2023年7月に念願のゲストハウス「Stay Do」を波浮港でオープンしました。その間に伊豆大島ジオパーク認定ジオガイドに認定されるなど、次々と夢を叶えていけるそのフットワークの軽さと行動力に脱帽でした。
多様性とは神田さんのこと・・・?!
神田さんは人と話すことが楽しい性分と目をキラキラさせながら語ります。週の半分は外にいるそうで、現在は伊豆大島ジオパーク認定ジオガイドとして島内ガイドをされるなど精力的に活動中。最近はバードウォッチングにはまっていて、日本三名鳥のオオルリを見つけることに生きがいを感じていらっしゃるそうです。個人事業主の多くは季節や時間によってダブルワーク、トリプルワークをする人が多いそうです。しかし 話を伺って、神田さんこそ、多様性のかたまりのような人だと思いました。
本州から一番近い伊豆諸島、大島の暮らし
神田さんはいま、観光だけではない島暮らしのよさをどのように伝えていくか日々模索中とのこと。大島は本州から一番近い伊豆諸島の島ということもあり、本州との2拠点生活をしている人も一定数いるそうです。平日は大島で仕事をし、週末は家族がいる本州の家に帰るという人も。なるほど、子どもの大学進学などでお父さんは単身赴任で大島というパターンもありそうです。(ちなみに、大島は小学校から高校まであります。)
神田さんご自身も島での生活の傍ら、今回のように都心に出張したりといったことは月1回程度の頻度であるのだそうです。飛行機でたったの25分で調布空港まで行けるのですからね。別コラムでご紹介する三宅島の山内さんと意気投合して盛り上がった話が、病院や美容室の話。大島には美容室や歯医者は数件あり、島から出ずともサービスを受けられるそうですが、出張ついでに本土の行きつけのお店に行くこともあるとのことです。それほど離島だから不便という感覚はなさそうです。重病や緊急性を要する怪我などの場合はドクターヘリ搬送で都内の病院に搬送されます。
今後の課題
住居に関してはいま一番の課題と言っても過言ではないくらい、不足しているそうです。大島で働くことは決まっても、住まいが決まらず、ゲストハウスやシェアハウスにマンスリーで長期滞在できますか?と問合せを受けるほど。
このコラムを読んでくださった皆さん、まずは大島旅行にお越しの際は神田さんと話をするという旅程を組んでみてはいかがでしょうか。きっと旅のひと味違った思い出ができるはずですよ♪
ちなみに、会話の中で、島では車が運転できた方が良いという話の流れで、島民がよく乗っている自動車は「ケッパコ」と言われ目が点になったので訊き返してしまいました。
2つの大島語を教えて頂きました。
「ケッパコ」=軽自動車ミニバン、「ケットラ」=軽トラックのことです。
最終回は三宅村地域おこし協力隊OB 山内拓さんの島暮らしのリアルをご紹介します。お楽しみに。
島暮らしのリアル①│【利島】子供たちが“故郷は利島”と言える環境を守りたい はこちら
島暮らしのリアル②|【利島】30代でわかった島時間の過ごし方、暮らし方 はこちら
参考リンク