生産者インタビュー②│【大島】島民に愛される、極上の大島牛乳
※本コラムの内容は、令和6年3月現在のものです。
日頃、アンテナショップ東京愛らんどに商品を卸してくださっている生産者の皆様に取材を行いました。普段私たちがなかなか知ることのできない生産者の苦労や努力が垣間見れるコラムとなっています。ぜひ島で暮らす生産者の息遣いを、特産品を通じて感じてみてください。
■㈱大島牛乳
アンテナショップ東京愛らんどで絶賛販売中の「大島バター」「大島牛乳アイス」。やさしいけどこってり濃厚な味わいが魅力の大島牛乳の美味しさの秘密は、隣接した牧場から仕入れた鮮度の高い生乳で製品づくりに取り組むスタッフの情熱と真心にありました。
-大島牛乳工場はいつできましたか?
柳瀬さん:大島の酪農自体は昭和の戦後から始まりました。元々は酪農だけだったのですが、平成11年に現在の牛乳工場が完成しました。当時は業績があまり良くなく、大島の酪農は低迷期を迎えていたのですが、特産品である「牛乳煎餅」業者への生乳販売を続けた後、平成19年に「このまま大島酪農を終わらせてはいけない!」と立ち上がった有志6名により(株)大島牛乳を設立しました。大島バターは立ち上げ当初から作っている商品です。
-大島牛乳さんならではの製造工程がありましたら教えてください
柳瀬さん:やはり一番は工場と隣接している牧場から直接パイプラインで受け取った新鮮な生乳をすぐに製造にかけられるのが大島牛乳ならではだと思います。
また、大手のメーカーさんだと高温瞬間殺菌という120度で2秒とかの殺菌方法になるのですが、大島牛乳だと高温保持殺菌という殺菌方法で、 75度で20分という低めの温度で長時間保持する殺菌工程を行っています。高温瞬間殺菌だとタンパク質の成分の形が少し変わり、風味が落ちちゃったりするのですが、大島牛乳は比較的低めの温度で殺菌してあげることで、風味を残してあげるという工夫をしています。
ただ、大手のメーカーさんは高温で殺菌することで消費期限を延ばしているのに対して、大島牛乳はちょっと低めの温度で殺菌しているので消費期限は少し短くなっています。
バターに関しては、牛乳を遠心分離機という機械にかけています。大手だと連続式という流れでバターを形にする機械があるのですが、うちではそれがなく1つ1つ手詰めで木枠を使っているのが大島牛乳ならではです。福引を回すような機械の中に生クリームを入れて、回して回して脂肪分をぶつけてバターつくっています。
-バターといえば般的に黄色いイメージがありますが、大島牛乳バターは比較的白っぽいですよね
柳瀬さん:色は食べる餌によって変わってきます。青い葉や草ばかり食べていると一般的な比較的黄色いバターになります。でも大島牛乳は乾燥干しの草を食べることが多いので、 黄色みが少なくなっています。また、ホルスタインよりも八丈島などにいる茶色いジャージー牛の方が加工に向いている牛の品種なのですが、大島ではホルスタインだけの牛乳を使っているので、白くさっぱりした甘みのあるバターになっているのかなと思います。
-立ち上げ当初から味は変わっていないのでしょうか?
柳瀬さん:味は割と変わります。大手のメーカーさんは何百件の牧場から牛乳を全部混ぜこぜにして、味を均等に流したものを使っているので、牛乳にしてもバターにしてもアイスにしても年間を通して味が変わらないのですが、大島牛乳の場合ここ1軒しかないので、牛たちの体調によって変わります。
夏場だとさっぱりとした薄めの味、冬場だと濃くてちょっとこってりした味になっていたりします。また、食べる餌によっても穀物の香りがするなというのが牛乳やバターにもあります。
スタッフ:季節ごとに味の変化が楽しめるのも大島牛乳ならではですね。
夏はさっぱり、冬はこってりの違いに結構気づかれる方はいますか?
柳瀬さん:リピーターでいつも飲んでいる方は結構わかるみたいです。学校などで子供たちが毎日飲んでいるので、「味変わったね」とか言われますね。先生方が気づかなくても子供たちが気づくとか結構あるみたいです。
柳瀬さん:牧場のすぐ隣にある「ぶらっとハウス」では、大島牛乳のほかにも「大島牛乳さけるチーズ」や、「大島牛乳はちみつバター」など数量限定で販売している商品もあるので、ぜひ大島に観光で訪れた際はいろいろお試しいただきたいです。
スタッフ:そういえば、牛乳嫌いの子供でも大島牛乳なら飲めるという記事をお見掛けしたんですけど、すごいですよね
柳瀬さん:そうみたいですね。牛乳を飲むとよくお腹ゴロゴロしてしまう方とか、大島牛乳なら大丈夫なのよって言ってくださるのでありがたいんですけど、意図せずのところなので原因はわかっていないです(笑)
―最後に、商品づくりにおいて大事にされていることを教えてください
やっぱり安心して安全に飲んでもらえるように、食べてもらえるようにっていうのはすごく気をつけています。 学校の給食にも出していますし、できるだけ安全なものを提供して、安心して飲んでもらえるように、衛生管理の面とかはみんなで気を付けています。ぜひ、内地の方にも大島牛乳を試していただきたいです。
このコラムで紹介された商品「大島バター」「大島牛乳アイス」「大島牛乳せんべい」は、アンテナショップ東京愛らんどでも販売中ですので、お立ち寄りの際はぜひお試しください。
<店舗情報>
電話番号:03-5472-6559
店舗住所:〒105-0022 東京都港区海岸1-12-2竹芝客船ターミナル内
営業時間:平日10:00 〜 18:00、土日祝 10:00 〜 20:00
※時期により営業時間が変わりますので、お知らせをご確認ください
その他 :各種カード / 電子マネー決済 対応可、電子しまぽ使用可能、無料Wi-Fiあり
注意事項:カフェの営業は終了しております。当店専用の駐車場はありません。
<内地・大島牛乳販売場所>
◆「テール・ヴィヴァン」https://www.instagram.com/terre_vivante/
◆「大島牛乳しっとり焼きたてスコーンとアイス」https://www.instagram.com/oshima.scopanna/
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