島暮らしのリアル②│【利島】30代でわかった島時間の過ごし方、暮らし方…利島村漁業協同組合 池原優太さん
このコラムは2024年8月24-25日に行われた「東京多摩島しょ移住定住フェア」にて、
東京愛らんど広報事務局スタッフが取材したものです。
利島村に移住した池原さんは神奈川県出身。調理師専門学校卒業後、飲食店に勤務しているときに、利島出身の先輩と出会ったのが利島との最初の出会いでした。観光客として利島を訪れた際、自然いっぱいで、のどかな島時間がとても良く感じられました。
数年後、漁協職員として働かないか?と、先輩から誘われ、池原さんのタイミングも合い移住を決断したそうです。
引越し、新居、本土とは違うコトだらけ!
思い立っていざ島へ、しかし住む場所の選択肢はありません。はじめは築40年を越える3LDKの古い家でした。利島は急な坂道が多いため、自動車移動がメインです。車が運転できた方が生活には便利なのですね。
大型家電品は大手量販店の中に離島料金加算など取られずに無料配送対応してくれるところがあるとのこと。調べてみたら、小笠原諸島までも無料配送圏。某有名ECサイトも2,000円以上の商品購入で送料無料。有難し。引越し以外で想定外にお金がかかったことは殺虫剤など防虫対策グッズの購入費だそうです。
利島の人はあまり魚を食べられない!?
本州から東京の島に観光客として旅をするなら、おいしい海の幸をたくさん食べたいなぁと思う方は多いと思います。島で暮らす人はお魚が好きな人が多いのでしょうか?魚が苦手な人は島での移住に向いていないのでしょうか?と尋ねると、答えは「いいえ」でした。
利島の商店には島内の獲れたて生魚は基本的に売っておらず、一般的に内地のスーパーで売られているような加工された水産冷凍品が多いとのこと。物価は“百貨店”でお買い物をするような感覚を想像してください。海上輸送費がかかっているのでお高めです。と、ユニークな回答。
刺身を食べたい時は、目の前の海で釣ってくる人も多いです。。釣りをする時間がない人や釣りが趣味でない人は、生魚から遠ざかっていると思います。民宿の食事で島のお刺身を提供しているところは、漁協から仕入れるか、もしくは本人が漁師を兼業としているケースが多いそうです。
利島の水産業を守りたい
利島の椿産業は島外からも守り手がやってくるという話は別コラムでしました。一方、水産業はかなり危機的状況にあるようです。「要因は一つではありませんが、6年ほど前から、自然環境の変化により、利島の主要水産物であった名物の大型サザエや伊勢海老の水揚は激減しています。
池原さんはこの現実と格闘の日々を送っていました。魚を海で釣ってくるだけでは難しい、加工品の開発にも力を入れているそうです。朝から晩まで、お昼に家に帰って昼食を取る以外は(利島村では大半の労働者が、一時帰宅方式の昼食を取ります)島の課題と未来のために頑張っているそうです。
「今はさらなる水産業振興のために尽力していただける方を地域おこし協力隊員制度を活用して募集をしています。募集期間は今年の12月15日までです。」
以下の項目に当てはまれば、あなたは利島村地域おこし協力隊に向いているかもしれません!?
□魚が好き、釣りが好き
□離島で生活したい
□人と関わるのが好き
□自然が好き
□都会に疲れた
□都会に無い経験がしたい
□新しいことを経験したい
□人混みが苦手
□人生を変えてみたい!
池原さんのお話を伺って、人口約300人の島の1人1人の重みを感じました。
「自分が島から求められていると感じるし、島の人からも支えられていると感じます。これから先、ずっと利島に住み続けるかは自分自身でも分からないけれど、今、自分にできることを毎日やるだけです。」と話すその言葉に島で生きる強さを感じました。
写真協力:利島村役場
次は大島町地域おこし協力隊OB 神田遼さんの島暮らしのリアルをご紹介します。お楽しみに。
島暮らしのリアル①│【利島】子供たちが“故郷は利島”と言える環境を守りたい はこちら
参考リンク